<本紹介>線は僕を描く

雑談

どうも、もいちゃんパパです!

今日は本紹介です!当たりの本に当たった時だけ書こうと思っていたのですが、珍しく2冊連続で良本に出会えてしまったので、インターバル短めでの本紹介です。

本日の紹介は砥上裕將さんの『線は僕を描く』です。

横浜流星さん主演で映画化もされているのですね。映像化も見てみたくなりますね。

題材は水墨画という多くの人に馴染みの無いものなのですが、なんと著書の方は水墨画の先生ということで納得の描写の繊細さで読者を水墨画の世界に引き込んでくれます。

あまり知られてない芸術を題材にするのってめちゃくちゃ難しいと思うのですよね。どうしても説明部分に分量を割いてしまわないと成立しないのですが、それが長すぎると読者を退屈させてしまうことになるのでその塩梅が非常に大変そうです。

ですがこの本は全くそんなことを感じませんでした。水墨画という未知の世界へ主人公と共に読者を導いていきますが、その展開の飽きのこなさに驚きました。

キャラクターが立っているのがいいのですよね。主人公自身も朴訥として魅力的ですが、その魅力に引き寄せられて周りの登場人物たちも個性的で魅力に溢れる人ばかりです。

もいちゃんパパの推しは湖山先生ですね。良い歳の取り方をしたいと思わせてくれました。

人の嫌な部分に触れる内容ではないので、読後感が非常にすっきりしています。

親を亡くして外の世界に何の反応も示せなくなった大学生の主人公が水墨画と出会い、外の世界とのつながりを取り戻し、生きるとはなんなのかを見つけていくストーリーなのですが、その結論までの持っていき方と水墨画の本質との混ざり方が本当に見事で、色んなことを考えさせられる本になっています。

水墨画は森羅万象を描き出す芸術。しかし森羅万象を描くには我々筆の速度は遅すぎる。菊に首を垂れて教えを乞いなさい。

などなど先生は主人公にとんちとも取れる難題を振りかけ成長を促しますが、読む方も是非一緒になって考えてみてください。

非常に良い本だったのでおすすめです。

ではまた!

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